西松安野友好基金の和解事業 訪日団の活動

訪日団の活動

和解事業の重要な活動として、受難者・家族・遺族が来日して強制労働の現地を訪ねた。1家族1人の参加を原則として、希望者173人が6回に分かれて参加した。付添いや引率者を含む延べ人数は199人である。6回の内訳は次のとおりである。(  )内は延べ人数。

 第1回訪日団 2010年10月22日~25日  28人(40人)
 第2回訪日団 2011年5月13日~16日   29人(32人)
 第3回訪日団 2011年10月21日~24日  39人(43人)
 第4回訪日団 2012年5月18日~21日   41人(43人)
 第5回訪日団 2012年10月19日~22日  16人(18人)
 第6回訪日団 2013年10月18日~21日  20人(23人)

訪日団の準備は毎回、約3カ月前から始めた。中国側運営委員が受難者・家族・遺族と連絡を取り、パスポートを取得してもらい、参加者を確定した。パスポート取得後、日本側から招請状を送ってビザ取得の手続きを行なった。訪日の日程は3泊4日であるが、行きと帰りに北京で1泊するので、各人が自宅を出て帰るまでは5泊6日となった。飛行機は往復とも大連経由の北京―広島便を使った。

広島での活動は毎回、次の日程で行なった。
 1日目 広島空港到着、歓迎晩餐会
 2日目 記念碑前の集いに参加、4カ所の収容所跡地めぐり、善福寺で追悼法要
 3日目 広島平和公園参観、和解の意義を深める交流会、交流宴会に参加
 4日目 広島空港から帰国

2日目と3日目に主要な活動を行なった。
2日目は記念碑前の集いに参加し、亡くなった受難者を追悼した。遺族たちは中国から持参した紙銭を燃やして中国式の追悼も行なった。善福寺では追悼法要を営んでいただいた。そして強制労働の現地を歩いて、当時の中国人の様子を知る栗栖薫さん、谷キヨコさん、尾坂秋三さんから話を聞いて、当時の劣悪な生活と厳しい労働に想いを馳せた。

3日目午前は広島平和公園を訪ねた。慰霊碑前で追悼し、公園内を歩き、原爆資料館を見学し、ビデオ「母たちの祈り」を鑑賞した。午後は、「和解の意義を深める交流会」で率直な感想や意見を述べあった。忙しいスケジュールの合間をぬって買物もした。

日中両国の参加者は共に行動する中で、交流を深めることができた。両国の参加者にとって得がたい貴重な体験となった。